荒木経惟 淫秋 般若心經惟 

2016.9.9 - 11.11

2016.9.9 - 11.11

このたびの荒木経惟氏による展覧会は
art space AMで催された「淫夏」(2015)「淫冬」(2016)の二つの展覧会に連なり
「淫秋」と命名されました。
常に、斬新で予想を超える最新作を発表しつづける荒木経惟の今作は
和紙にプリントされた写真に、書で「般若心經」をしたためたパワフルな初展観となります。
荒木氏の書は、本場・中国でも高く評価され、
カタログが版を重ね人気を博しているギメ美術館(パリ・9/5まで)での個展や
書によるNHK特集番組のタイトル文字など、世界中でアクティブに展開されています。
これまでも、荒木氏は、永井荷風、種田山頭火、北斎ら先人による作品や
「往生要集」、「万葉集」、「梁塵秘抄」などに古典に感応し、
自らの心境を重ね合わせて、数々の傑作を生み出してきました。
本展作品も同様に、たゆまず新境地を追い求める創作への強い渇望を、漲らせています。
モチーフである教典「般若心経」は、『西遊記』の基となる『大唐西域記録』を著わした僧・玄装の訳した
全巻600から成る「大般若経」のエッセンスが、260余文字にまとめられ、
大乗仏教の根本として普及したもので
「般若」は智慧を、「波羅蜜多」は「悟りを開く」ことを意味しています。
幾多の解釈書のどれをひもといても、
この世のすべては「無」であり、悟りは自らの中にある。
なにごとにもとらわれることなく、自らの道を真摯に生きていきなさい、
というメッセージが、深遠な意味を持つという一文字一文字から浮かび上がってくるとあります。
荒木氏の、見事な表現力、斬新な冒険心とあいまって、豊かな活力が溢れます。
また、本展では、インスタントフィルム作品2点をカットして
ダイレクトに接ぎ合わせた最新作も同時に発表されます。
AMで発表された、コラージュ作品によるシリーズ「結界」(2014)「半夏性」(2015)に続く
作家の緻密な手作業から生まれた貴重な作品群です。

皆様のご来場を、心より楽しみにお待ちいたしております。

荒木経惟展「淫秋—般若心經惟」
NOBUYOSHI ARAKI exhibition IMSHU
2016年9月9日~11月11日(金)13:00~19:00 月曜・火曜休
アートスペースAM 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ#302
curator HISAKO MOTOO