ARTIST STATEMENT

あなたは誰ですか。
私はこの景色です。
あなたは誰ですか。
私はこの音です。
あなたは誰ですか。
私はこの香りです。
あなたは誰ですか。
私はこの痛みです。
あなたは誰ですか。
社会です。
あなたは誰ですか。
歴史です。
あなたは誰ですか。
私はあなたです。
私は誰ですか。

あなたは私です。そして、私が決して知ることのできない何者かです。
あなたはここまで来て、ここから行くのです。

宇宙(ひと)の前に突っ立つ。
目の前の宇宙は二本の足によって世界と繋がっている。
目の前にも背後にも、見渡す限り世界が広がっている。
その世界もまた、幾重にも重なり宇宙へと繋がっている。
世界が生まれたとき、宇宙では何が起こったのか。赤ん坊が立つとき、世界で何が起こっているのか。

震える膝に力を込めて、朦朧とする意識を両手で整えて。手首で脈打つ両手では数え切れないほどの時間。
2つの目だけでは見渡すことの出来ないほど深い意識。
1.4kgの脳みそに詰め込まれた無限の存在と、そのなかで生まれる偶然と矛盾。
動き続ける世界ですれ違う宇宙。

誰もが孤独な宇宙の中で、その命を削ることによって存在している。
その星屑のように舞い上がる削りカスのなかに立ったとき、美しさを問うことはあまりに儚く、
自由を問うことはあまりに虚しく、正しさを問うことはあまりに脆い。
ただただただ。ひたすらに。
生きる術を探す。
私は私である。

石川竜一

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