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NOBUYOSHI ARAKI : HITOZUMA POSCA

「タコツボ現象」が、マーケティング業界でささやかれるようになったのは、
バブルの終わり、80年代の末のことだ。
消費行動が飽和して、モノを買うことが、
人生を自己表現のステージに変える手段となり、
自身の領域を明確にしようとする傾向を
タコの穴にこもる習性にたとえたものだ。
感性派閥(例えば、ポパイ派なら、ボタンダウンのシャツ、
ヴェスパに乗って、下北沢近辺に出没…といった具合に)
という言葉と並行して使われた。
よくもわるくも、ライフスタイルの細分化の始まりであり、
オタク化への初めの一歩と言われたが、
モノで外壁が塗り固められていたところが、現代との大きな違いだろう。
消費分析の便利なところは、数値化しやすい点だ。
しかしながら、実に多種多様で複雑怪奇な人という生きものの行為や思考を、
グルーピングするのは土台困難で、想像をはるかに超えるようなことが日々起きる。
この写真展もまた、驚異的に解析不能だ。
女性たちの笑顔、仕草、皮膜の奥底からほとばしる生き様のオーラは、
おおらかに力強く輝く。
しかるべく存在する憂いや傷みの翳は、
光に奥行きと深みを与えている。
撮ってさしあげる、と荒木さんは、常からいう。
表現をするのはレンズの前のその人で、
相手の気持ちに感応し最高の形で提示するのが写真だ、と。
女性は凄い、ほんとうに。
写真を介した関係性の生成する時間軸が、
この上なくまばゆいせいだろうか。
つい夢見てしまう。
すべての女性が、真の笑みとともにあり、
自ら導きだした価値観にのっとって、のびのびと屈託なく、
太陽のように輝き、人生を謳歌せんことを。
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荒木経惟「デロン君が帰ってきたゾーウ」

70年代の電通時代、荒木が仕事のあいまを縫って描いていたドローイングの中に、デロン君がいました。さらにその出自を辿れば小学生時代、初めての粘土細工は象だったのです。そのデロン君が香港の有志によって、セラミックのスカルプチャーに生まれ変わりました。3つの鼻は、求愛の印。どの鼻が一番先に女の子の寵愛を得られるか。競い合って、絡まり合ってしまいました。「デロン君、お帰りなさい!」の気持ちをこめての本展です。新生・デロン君と共に愉しい時間をお過ごしください。

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荒木経惟「霊安冬春」 Nobuyoshi Araki : Reian Toushun

近作での登場回数が増えるごとに、姿を変貌させていった人形たちが白いボックスに納められた。次の出番を心待ちしながら、のたりのたり安らいでいるようでもあり、疲れ果ててお役御免を願いつつ束の間の安穏をむさぼっているようでもある。奇々怪々の風態で、夜中にこっそりと箱を飛び出し遊び呆けているのかと勘ぐったりもするのだが、霊安箱にたむろする彼らは、いずれにしろ、自身の秘密を誰にも語らず、冬を越す。柔らかな春の陽射しは、もう、すぐそこに。

荒木経惟「霊安冬春」2019年2月22日〜3月27日 13:00-19:00 月曜・火曜・3/7-8 休  @artspace AM

#302 Jingumae Shibuya-ku Tokyo 150-0001

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荒木経惟 「銀塩女優 SUMMER XU」


銀幕にかけて「銀塩女優」。

中国を拠点に活躍を続ける女優、Summer Xuを撮り下ろしたモノクロームのポートレートを、花のポラロイドが彩ります。

本展に併せ、全展示作品を収録する可憐なカタログを、少部数ながら思いを込めて制作いたしました。

皆様のご来場を心よりお待ちいたしております。


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次回展覧会のお知らせ

荒木経惟 「銀塩女優 Summer Xu」

Summer Xu (许晴)は、北京を拠点に活躍する国際女優である。

フィルムアカデミー在学中の90年代のデビューから注目を集める。たゆまない努力と情熱、軽やかで自在な向上心で仕事に打ち込み、現在に至るまで、多様なジャンルで飛躍を続けて中国の人々に愛されている。

写真家・荒木経惟との最初の接点は、90年代の撮影である。その後の20余年の間に彼女は、数々の大作で重要な役割を担い映画賞受賞を重ねながら、優美な佇まいと可憐な姿の奥に、経験がもたらす複雑な精神の襞を潜ませてきた。

2018年秋、都心のスタジオのメイク室の階段をおりてきた彼女は、ノーメイクで日常愛用する服をまとっていた。ありのままの自分を現したいという望みは、すでに荒木に伝えられていた。 イヤホンで聴いているという彼女の最近のお気に入りのBGMが流れ、シャッター音が響く。濃密な時間のたゆたいに寄り添いつつ、ときに、荒木の発するジョークに声を立てて笑う立ち居振る舞いは、しなやかな自然体で、そして美しかった。 これまでの多くの旅を連想させる年季の入ったスーツケースいっぱいに詰め込んできた私服の、何度目かの着替えの前に「メークしたところも撮っておこうか」と荒木が声をかける。

黒で統一された衣服に映える真紅のリップが、色白の肌を際立たせる。荒木の指示で身体を動かしていくうちに、彼女の中でイマジネーションがみるみる膨らんでいく気配が傍目にもわかった。空気がさらに熱を帯びたころ、高まった感情は、许晴の瞳から涙を溢れさせた。彼女が奏でた物語がどのようなもので、どのような情景がその眼に映っていたのか、オブザーバーには知る由もない。ただ、頬を伝わる涙は静かに澄んでいてほんとうに綺麗だった。

翌日台湾の映画祭に出席して、帰国した彼女が、上がった写真の画像を見て非常に喜び、写真集を熱望しているということが伝わってきた。 東京での展覧会の初日は、彼女の誕生日にあたる。

モノクロームのポートレート作品30点とポラロイドの花によって構成される、荒木経惟x许晴「銀塩女優 Summer Xu」展は、1月22日よりスタートします。展覧会カタログ同時刊行。

タイトル:銀塩女優 Summer Xu 荒木経惟x许晴

会期:2019年1月22日~2月17日

会場:artspace AM    150-0001 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ302 03-5778-3913


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荒木経惟 涅槃少女 Nobuyoshi ARAKI nehan shoujo

涅槃の語源であるサンスクリット語の「ニルヴァーナ」には、“吹き消す”という意味がある。
涅槃とは、煩悩の吹き消された状態=仏教の突極的目標とされる世界である。
生存のために切り離せない食欲や睡眠欲を脱した死後の世界にこそ、涅槃があるとして、釈迦の死を指す語でもある。

本能を触発しない、と、人工知能(AI)にエレジー(哀歌)を奏した、前回展の作品に、
荒木さんの写欲を一段と強く惹きつけた一体の古い日本人形がいた。
ひときわ、強烈な魅力を放っていた少女である。
彼女の存在をメタファーに、荒木さんの最新の気分を具現化したのが本展「涅槃少女」である。

どのような時をくぐり抜けてきたのか、愛されたのか軽んじられたのかーー
古い人形にはそれぞれが背負う過去が匂い立つ。
その表情は万化にうつろい、つかみどころがない。
幼児のようにあどけなく無垢のようでもあり、酸いも甘いもかみ分けた老成のようにも見える。

荒木さんの配置する花に囲まれた様々な姿態の人形少女たちは、
(花々もまた、若々しく輝いていたり、枯れてしなだれたり、複雑な妖相をかたちづくる)
当然の事ながら生命を宿しては生まれてきておらず、であるならば、生まれついての涅槃の住人なのだろうか。
あたかも脳神経とつながっているかのように、キラキラと眼力を瞬かせているというのに。

荒木さんが、亡妻・陽子さんに贈ったプロポーズの記念は、球体関節人形の作家であり写真家であった
ハンス・ベルメール(1902―75・ドイツ帝国カトヴィア<現在のポーランド領>生まれ)の写真集だった。
1987年、荒木さんは、フランス人写真家、ベルナール・フォコン(1950ー)の
マネキン人形を写した作品展のオープニングに現れ、学ラン姿のフォコンと宴席を共にした。
もしかしたら、荒木さんには、ずっと昔から、人形が孕むなにものかに感応するセンサーがあったのかもしれない。

そもそも写真家とは、シャッターを押し込む瞬間、その身体には(おそらく)心がない。
空っぽの器と化した肉体は、からくり人形のように、何か神妙なもの、もしくは、奇天烈な力によって采配される。
瞬間の天啓ともいうべきものを受容する才能が、写真家を写真家たらしめ、
シャッターチャンスを悟るのである。
この、ある種超自然的な作用を、荒木さんは、“本能”と呼ぶ。

煩悩にまみれた人間世界の住人が、カメラを介して、限りなく悟りの境地へと近づく。
人形の虚ろと人間の本能とが壮絶に渦巻く、虚と実の薄皮一枚で隔たれた世界に挟まれると、
感覚が浮遊して、混沌へと迷い込んでしまう。
しかし、そうやって目くらまされているうちに、どこからか湧き上がる、
みずみずしく真新しい気力のようなもので身中が徐々に満たされていくことが、いつも不思議でならない。

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NOBUYOSHI ARAKI AI ELEGY

時代の風に吹かれるのはすきだよ。
でも、便利に慣れすぎちゃうと
人生までイージーになっちゃうような気がする。

荒木経惟「AI エレジー」
2018年10月10日〜11月30日
closed on monday, tuesday and10/19-21 11/14

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荒木経惟「78歳ノ写真夏」

8月1日より、荒木経惟展「78歳ノ写真夏」を
開催いたします。

前回のモノクロームを中心とした黒と白の階調から一転、
艶やかで多様な色彩のカラー・ポラロイド作品で
会場が彩られます。

Nobuyoshi Araki
78 sai no shamanatsu

2018年8月1日〜9月30日
13:00-19:00
closed:月曜・火曜 8/15-17 9/19-23

artspace AM
お問い合わせ:03-5778-3913

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荒木経惟 色盲老人P

ファインダーの中は、荒木さんの遊園。
意を受けて、ギャラリーの中が、作品のプレイグラウンドになりました。
モノクロームのポラロイド作品たちに囲まれて
ご一緒に心を遊ばせてみませんか。

荒木経惟 色盲老人P
2018.06.01 – 07.20
アートスペースAM
渋谷区神宮前6ー33ー14 神宮ハイツ301/302
13:00 – 19:00
月曜日と火曜日はお休みです。

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荒木経惟 天獄へのパスポート Nobuyoshi Araki The passport to the ꟼARADISE

1000 instant films+

これまでに、荒木さんによるポラロイド作品の展示を
(個展の一部である場合も、ポラロイドの展覧会である場合も)
ご覧になった方は多くいらっしゃると思いますが
今回は
一挙に1000点が展示されるという稀有な機会となります。

退色・変色もものかは。
1000のイメージそれぞれにフレーミングされた
「時」と「こと」の息遣いに
心を同調させて、
湧き上がる物語
(もしくは、呼び起こされた記憶)
と、しばし戯れてみてください。

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