7/22 アーティストトーク

およそ一ヶ月にわたる展覧会「操上和美写真展ーDedicatedー首藤康之」も
残すところ、あと2日間となりました。
これまで、ご来場いただきました方々に、心より、感謝申し上げます。

最終日の7月22日19:00より開催されます
操上和美氏によるアーティストトーク(ゲスト:首藤康之氏)につきまして
ご案内させていただきます。

事前のご予約は、必要ございませんので、ぜひ、ご参加くださいませ。
尚、おこしいただきましたお客様全員に、ご入場いただくため
たいへん恐縮ですが、基本的に、お立ち見とさせていただきたく存じます。
(おつらい方は、椅子をご用意いたしますので、スタッフにお申し付けください)
また、展覧会は19:00までですが、18:30頃より、展示をご覧になっておられる
お客様にできるだけお邪魔にならないように努めつつ、トークのためのセッティングを
行わせていただきます。
ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

皆様のご来場を、楽しみにお待ちいたしております。

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操上和美写真展「DEDICATED ー 首藤康之」

       全てになりきる卓越したテクニック。
       そう…それ自体で全部である存在。

       と、モーリス・ベジャールに言わしめた
       Shutoの――進化する肉体。

       少年、青年、壮年、老年へと…

       肉体に宿る魂を追って
       ダンサーの旅は続く。

       恐れていることがあるか。

       腐蝕への旅。

       操上和美

写真への熱い情熱と人間愛に穿たれた操上和美の視線が、
公私ともに親交をあたため見つめ続けてきたダンサー・首藤康之の肉体と精神を射抜き、
圧倒的な力強さにあふれる作品群を生み出しました。
撮影は、2015年11月の、首藤のバースデーに行われました。
その日のため、ベストの状態に仕上げてきた首藤は、幼い頃から
踊ることに心身を捧げ培ったすべてを、操上のカメラの前に差し出し
操上はそれを、広く深い愛情で受け止め、美事なシャッターチャンスを導きだしています。

操上和美写真展 「DEDICATED — 首藤康之
2016年6月17日(金) – 7月22日(金) 13:00 – 19:00 月・火曜休
art space AM 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ302 〒150-0001 TEL 03-5778-3913

操上和美写真集 『DEDICATED』
2016年6月17日発売  定価 3800円+税  発行 赤々舎
B5変型・128ページ・写真67点掲載・ソフトカバー(スリーブケース付)
ブックデザイン 葛西薫・安達祐貴 
スタイリスト:北村道子
ヘアーメイク:佐藤富太
ボディー ペインティング:エドツワキ

レセプション+BOOK SIGNING
6月17日(金) 19:00 – 21:00
操上和美 アーティスト・トーク
7月22日(金) 19:00 – 20:00 (ゲスト:首藤康之

〈プロフィール〉

操上和美 Kazumi Kurigami

1936年 北海道生まれ
1961年 東京綜合写真専門学校卒業
現在、ピラミッドフィルム名誉会長、及びキャメル代表

主な個展
1975年 「Sky Camel」(ハートアート)
1978年 「パームツリー・パームツリー」(伊勢丹)
1984年 「陽と骨」(パルコギャラリー)
1992年 「Robert Frank 回遊」(横田茂ギャラリー)
2000年 「Big Time」(エプソン・イメージング・ギャラリー)
2002年 「風景 Passage」(横田茂ギャラリー)
2002年 「Northern」(エプソン・イメージング・ギャラリー)
2009年 「Diary」(ライカ銀座店サロン)
2011年 「陽と骨Ⅱ」(Taka Ishii Gallery)
2013年 「操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。」(東京都写真美術館)
2013年 「Portrait」(Gallery 916)
2013年 「荒木経惟×操上和美 うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―」(奈良県立万葉文化館)
2015年 「Self Portrait」(B Gallery)

主な写真集
1983年 『Alternates』(誠文堂新光社)
1984年 『泳ぐ人』(冬樹社)
1984年 『陽と骨』(パルコ出版)
1985年 『Hara Museum of Contemporary Art』(原美術館)
1989年 『Kazumi Kurigami Photographs-Crush』(スイッチ・コーポレイション)
1992年 『驟雨 (井上陽水)』(スイッチ・コーポレイション)
1997年 『Possession (首藤 康之)』(光琳社)
2002年 『Northern』(スイッチ・パブリッシング)
2003年 『Shinnosuke (市川新之助)』(ワニブックス)
2005年 『Diary 1970-2005』(東京パブリッシングハウス)
2012年 『陽と骨Ⅱ』(東京パブリッシングハウス)
2013年 『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』(東京都写真美術館)
2013年 『Portrait』(Gallery 916)
2015年 『Self Portrait』(B Gallery)

映画
2008年 『ゼラチンシルバーLOVE』 監督作品(2009年公開)

首藤康之 Yasuyuki Shuto

15歳で東京バレエ団に入団。
19歳で「眠れる森の美女」の王子で主役デビュー。
古典作品をはじめ、モーリス・ベジャール振付「春の祭典」「M」「ボレロ」ほか、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアンなどの世界的現代振付家の作品に数多く主演。
2004年に同バレエ団を退団後は、マシュー・ボーン、ジョー・カラルコ、シディ・ラルビ・シェルカウイ、小野寺修二、ウィル・タケット、長塚圭史、串田和美、白井晃など、国内外の演出家・振付家の作品に出演するほか、浅野忠信、黒沢清監督による映画にも出演するなど表現の幅を拡げている。
また、近年は中村恩恵との創作活動も積極的に行っている。第62回芸術選奨文部科学大臣賞ほか受賞歴多数。

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写真集『Daido Moriyama in Color』

写真集が、イタリアより到着いたしました。
完成直後に急ぎ、空輸しましたので、部数が限られてしまいました。
未発表作品も数多く含まれる、見応えのある構成です。

IMG_0783   AMにて、見本をご覧いただけます。

森山大道作品集『DAIDO MORIYAMA in COLOR』

(イタリア・SKIRA社刊)
480ページ H312 x W210mm 2700G
ハードカバー 
60年代後半より80年代前半にかけて撮影されたカラー写真作品写真258点掲載
作家サイン入り 
価格 7800円[税込]

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去りがたい写真展  荒木経惟展「淫冬」 NOBUYOSHI ARAKI IMTOU

最新作をふんだんに含むインスタントフィルム作品
80年代に荒木氏がプリントした貴重な作品
AMで撮り下ろされた作品など多彩なシリーズが集められました。

「ARAKIMBAKU in 80s」
荒木氏自身のプリントによるヴィンテージ作品。
1979年から85年にかけて撮影されたものです。
当時の『SMスナイパー』誌連載のため制作され
フランスの雑誌の荒木特集のためプリントされました。
数多くの応募者から選ばれた女性をモデルに
民家のキッチン、出版社倉庫、ホテルの一室など
雑然とした身近な場所での撮影が行われています。
当時は、予算の関係もあって選ばれたロケーションかもしれませんが、
今見ると、そんな枠組みを通り越し
緊縛という手法を用いながら
画面のそこかしこにユーモラスな演出がほどこされ
独特のエッセンスがちりばめられた舞台のように感じられます。

インスタントフィルム作品では、ポラロイドによる2008年以前のシリーズと、
IMPOSSIBLEによる新作とが、シャッフルされています。

「西ノ空」
荒木氏は、現在、早朝のバルコニーから「東ノ空」の撮影を日々行っており
作品は、2015年の「往生写集」などで紹介されています。
このシリーズは、それ以前の作品で
入念に「西ノ空」を撮りつづけることで成り立っています。
陽光に満ちた青空が、宵に向かうにつれて暮れなずみ、
序々に深紅に染まっていく情景が、胸に迫ります。

「KaoRi@AM」
2015年に2回、AMでの撮り下ろしが行われました。
一度めは、前回の個展「淫夏」展示作品に囲まれて。
二度目は、作品のないコンクリート打ちっぱなしの壁面の中で。
ミューズ、KaoRiのARAKIMONOに始まり
着衣を脱ぎ捨てていく肢体が形成するさまざまなフォルムが
カラー・モノクロ双方で
美しく可愛らしく定着されています。

「花」「花とヤモリンスキー」
2000年代に撮影された、花、そしてヤモリンスキーの配された花。
写真家たちの永遠のモチーフである花ですが、
荒木氏の「花」は、ARAKI’s FLOWERSとして、
世界中の美術館やコレクターのゲストルームなどで咲き(枯れ)つづけています。
ヤモリンスキーとは荒木氏の命名で、住処が「ウィンザースラム」であった時代に
同傘していたヤモリたちを指します。
現在では、当時から乾き切っていた彼らのむくろは、粉と化してしまったそうです。

以上の3シリーズをメインに、
モノクロームプリントにダイナミックな線描をほどこして
ポラロイドフィルムで複写した「エロッキー」
フィギュア、オブジェ、人形、花などで構成される近作「PARADISE」
などのインスタントフィルム作品が、シャッフルされ展示されています。

視点や歩き方を変えるたびに、気づかなかった作品の魅力が目に飛び込んできて、
行きつ戻りつじっくり見れば見るほどに
もうひとつ、またひとつと、物語への入り口がたちあらわれます。

ついつい長居をなさってしまう可能性があります。
お時間の余裕がおありのときに、おこしいただくのがよいかもしれません。

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『DAIDO IN COLOR』1月31日まで開催いたします。

イタリアで制作いたしました写真集が、到着いたしました。
1月30日より、AMにてご覧いただくことができます。
会期に間に合わせるため、ほかの書店さんなどにさきがけての入荷となりました。

併せまして、本展を、1月31日(13:00〜19:00)まで、開催いたしますので
よろしければ、ご来廊くださいませ。

森山大道作品集『DAIDO IN COLOR』
イタリア・SKIRA社刊
480ページ H312 x W210mm ハードカバー 2.7KG 
60年代後半より80年代前半にかけて撮影されたカラー写真作品写真258点掲載
価格 7800円[税込]

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DAIDO MORIYAMA color works

このたびの展覧会では、60年代後半から80年代前半にかけて、森山大道氏により
リバーサルフィルムで撮影されたカラー作品をご紹介いたします。

当時、森山氏の撮影の大半はモノクロームフィルムに占められていましたが、
グラフ雑誌の依頼に応じるなど、路上でのスナップショットをコンパクトカメラに
カラーのリバーサルフィルムで撮影する機会が、しばしばありました。

「モノクロームは、プリントで操作をしたり粒子を荒らしたりできるが、
カラーではできないし、考えていないんです。カラーでは、ニッポンの
東京の俗っぽい場所や生々しい色を撮っている。単純にいうと、モノク
ロームには、印象性、象徴性、抽象性があるけれど、カラーには、ポッ
プでクリアーでジャンク、いい意味でペラペラな感じがあるね。より心
情的なモノクローム、より通俗的なカラー。自分の中にも両方があるわ
けだから、どちらも自分。分けることはできないんだよ」(森山氏)

その瞬間の匂いや空気や騒音が、40年のフィルム上の経年変化をものともせず、鮮度高く、
ヴィヴィッドなイメージの中に封じ込められています。
不思議に思われるのは、街をはじめとする外界の多くが、
開発や社会変動により様相を大きく変貌させてきたにもかかわらず、手が届くと思われるほどに至近な出来事として、
現在感覚で写真を感知できることです。
今はなき被写体が、リアルな存在感をともなって、眼前に迫ってくるのです。

「現在は、ストリートスナップはほとんどデジタルカメラを使っている
のですが、当時も今も、相変わらず同じものに興味がわき、視線が向か
うんです。視界がとらえようとする欲望の対象が、まったく変わらない。
車や建物、時代や風景がどんなに変わったとしても、街には必ず人がいる。
人と街との混沌とした関係は変わっていないんですよ。実にリアルで面白い。
カメラを持って街に出れば、そのときの僕の体内のセンサーのありようで、
いろいろなものを撮るわけだけれど、どの時代にも、街には、コメディや
エレジーやドラマ…すべてが包括されている。街は、ステージでありミュー
ジアムでありスタジアムであり、興味がつきないね」(森山氏)

ひとたび、ファインダーに飲み込まれた対象は、森山氏の視界と擦過することによって等価となり、
多くの人々をひきつける不滅の魅惑を湛えています。

本展は、8×10サイズを中心に、150点で構成されます。
当時のカラー作品が、このボリュームで展観されるのは、初めての機会となります。

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シルバーウィーク

AMの定休日は、月曜火曜ですが
両日(21日・22日)が祝日にあたります今週は
通常どおり、13:00より19:00まで
開廊いたしております。

art space AM is opened from 13:00 through 19:00
on September 21st and 22nd
as both days are national holidays.
(Usually we are closed on Monday and Tuesday.)

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『IMKA』issue 01/02/03

「IMKA」展のために制作された作品を収録した
マガジンスタイルの3分冊『IMKA issue 01/02/03』がそろいました。

IMKA issue 01
01-16

組作品(Polaroid)「EGGS」100点「FLOWERS」100点
ホワイトフレーム(Polaroid+Impossible) 約90点
ゴールドフレーム(Impossible) 約70点
ブラックフレームおよびモノクローム作品(Impossible) 約70点
KIMONO:KaoRi (6×7カラー) 4点
表紙:IMPOSSIBLEブラックフレーム「KaoRi」より
16ページ・H420mmxW297(A3正寸)

IMKA issue 02
IMKA02_01_12

2015.8.15 (35㎜モノクローム)113点
表紙:「花とヤモリンスキー」(Polaroid)より
12ページ・H420mmxW297(A3正寸)

IMKA issue 03
IMKA03_01-16_2

シアンフィルム(Impossible)約40点
マゼンタフィルム(Impossible)約40点
アニマルフレーム(Impossible)約50点
カラーフレーム(Impossible)約50点
半夏性[インスタントフィルムをカットし2枚の断片を接ぎ合わせた作品](Polaroid+Impossible)約160点
ペイント作品[インスタントフィルム上にアクリル絵の具によるカラフルなペイントのほどこされた作品](Polaroid+Impossible)約100点
表紙:「the photographer himself」ペイント作品より
16ページ・H420mmxW297(A3正寸)

価格は、単体の場合(税込)
『IMKA issue 01』 1800円
『IMKA issue 02』 1400円
『IMKA issue 03』 1800円
刊行部数 各300部

3冊セット(税込)
4000円

先行発売の『IMKA issue 01』をすでにお買い求めのお客様が
issue 02とissue 03をご購入なさる際には、受付にてお声がけください。
セット価格にて対応させていただきます。

また、Impossible Tokyoオフィシャルサイトにて、
オンラインによる販売も受付する予定です。
スタートいたしましたら、リンクをお知らせいたします。

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インスタントフィルムの現在

「淫夏」展では、新旧(インポッシブル社製・ポラロイド社製)インスタントフィルムそろい踏みの感があります。
ご来場されるお客様には、インポッシブル・フィルムをまだご存知ない方も多く、幾度かご質問を受けましたので、今回はそのお話を。

 ご存知のように、インスタントフォトの代名詞として今も多くの人々が口にする「ポラロイド」は、
1937年に創設されたPolaroid Corporationの商標です。
ポラロイド社は、諸般の事情で、2008年、インスタントフィルム生産から撤退。
 直後、世界中に普及していた数十万台ものポラロイドカメラから見込まれる需要を旗印にして投資家を募り、
三十代の科学者を中心とする有志がロマンを胸に、IMPOSSIBLE社設立。
オランダ郊外に在るポラロイド社の工場、機械、スタッフを引き継ぎ、2010年より流通をスタートさせました。
 日本法人IMPOSSIBLE TOKYOが、アジア市場の拠点として、
(荒木さん呼ぶところの)「若社長」(当時23歳)を代表に据え設立されたのも2010年のことです。

 IMPOSSIBLEの初代CEOであるF博士は、1年ほど前、投資家の一人に席を譲り、
ヨーロッパでSupersenseという会社をたちあげました。
日本法人の活動は、同じメンバーでBccという会社をたちあげ、インポッシブルフィルムの総代理店となりました
(Bccでは、業務をひろげ、空間デザイン、ウェブサイトの設計なども手がけています)。
 このような体制の変動はあったものの、オランダの工場では変わらず、
ポラロイド時代からの工場長を筆頭に職人たちが、日々開発に明け暮れてきました。

 本展をご覧になっていただければ一目瞭然ですが、ポラロイド社とインポッシブル社のフィルムの現像結果は、
寸分たがわないシステムにのっとったものでありながら、まったく違います。
 また、ポラロイド時代には白一色であった縁取りに、ブラックやゴールド、ヴィヴィッドカラーやアニマル柄が使われていたり、
正方形の画像面が円形だったり、マゼンタ、シアンのみの発色だったり、
インポッシブルでは、折々に、期間限定の奇抜なアイディアが発揮されてきたこともわかります。
(展示では、その変遷の軌跡を見渡すことができます。)

 F博士は、蜘蛛の研究で学位を取得した生物学者でした。
シャッターを切ってからプリントに生成されるまでのプロセスを、フィルムと小さな暗箱で終始させる有機的な作用を、
デジタルの力を借りず実現するインスタントフォトは、この男に、大きな魅惑とロマンを与え、化学の世界へと身を投じさせます。
 しかし、IMPOSSIBLE創立初期に生産されたフィルムでは、現像液が写真面に逆山形に漏れだして跡がのこる、
現像液が乾燥していく途中で気泡を吹き出し写真面の皮膜で線香花火のような破裂を起こす、
などといった珍現象が茶飯事でした。
 上記のような現象は、いまは影をひそめましたが、現在でも、インスタント(瞬間)フィルムの名とは裏腹に、
シャッターを押しフィルムが排出されてから、画像が浮かび上がるまでに、数分~数十分かかります。

 なぜ、製造機械を共有し、往時のすべてを掌握する職人が仕事をしているにもかかわらず、このような事態が起きるのでしょう。
 その主要な原因は、原材料にあります。
環境保護のための規制が厳しくなり、ポラロイド時代には使えた原料のほとんどを、今では使うことができないのです。
職人たちは、材料配合の面ではゼロからのスタートを、経験値と探究心でカバーし、日々熱意をこめて生産にいそしんでいます。
いまだ価格がやや高めなのは、製造工程に手作業が多く含まれることもあって、絶対的な生産量が少ないためです。

 同じ銀塩どうしでも、現像液の内容も銀の量も、昔とは違ってきています。
美術品としての価値がプラスされ、美術館などで大切に保護されている場合が多いようですが、
もし70年代頃の銀塩写真と今のものを比較できる機会がおありでしたら、きっと違いに気づかれるはずです。
コクがより深いと言えば、近いでしょうか。

 F博士の場合は、ポラロイドに近づこうとして幾多の挫折を繰り返しながら、
インポッシブルのフィルムならではの「表現力」に気づきました。
再現性から表現性へ。
模索の過程で、博士がもっとも撮影していただきたいと願ったのが、かねてより彼がその作品を厚く敬愛していた荒木さんでした。
博士は、科学の追求だけでは乗り越えることのできない課題と直面し、
科学の領域からアートを実践するとはどういうことなのか、突き詰めて考えたのではないでしょうか。

 生理を重視する科学の枝が、作品という果実を支え、
人々の感性が共振したり、反発したり、感動したり、記憶を揺さぶられたりして、物語を紡ぐなら
それは、いずれ大樹に育つのではないか、と。

作品を得て、お客様にいらしていただいて。
呼吸するように気配を吸収して満たされてゆく。
AMは、写真がそうであるように、見る方たちの想いによって再生するスペースでありたいと思います。
 
forFLYER_new014kirinuki

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荒木経惟展 Nobuyoshi Araki exhibition「淫夏 IMKA」

降りそそぐ雨のたえまに真夏日が押し寄せ、台風の影響を受けつつめまぐるしく変化する
気候が続いておりましたが、ようやく、東京も梅雨明けのようです。

「淫夢IMMU」展に続きIMPOSSIBLEの最初の2文字「淫」と
「夏」を掛け合わせた荒木経惟氏による展覧会が、まもなくスタートいたします。

このたびの展示は、すべて、未発表。
さまざまなテーマを包括しています。

まずは、膨大な点数におよぶ、インスタントフィルム作品。
あるものはダイナミックにペイントされ、あるものは「結界」に連なり2枚の断片が接ぎ合わされている。
登場まもない新世代フィルムや、不思議な試み=シアンのみ、マゼンタのみ、動物柄フレーム=が
群舞するかと思えば、
ポラロイド時代の「花」と「卵」が整然と並ぶ。

スタジオで撮り下ろされたKaoRiの、相反するはずの妖艶と清純が見事につやめくKIMONO姿。

さらに、2015.8.15.の日付を付して35ミリフィルムで撮影された、モノクロームの作品群。

常のように、ご本人が筆と墨で書き起こす、美しい書によるタイトル文字には
中国の一流彫り師が刻印した落款が添えられています。

総点数は、ゆうに1000点を超え、作品完成から展示のセットアップまでの間で
ペインティングフォトの画料が乾ききらなかったほどの最新作が並びます。

皆様のご来場を心よりお待ちいたしております。

KaoRi_KIMONO01

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